『楽しい!』は興味・関心を引き出す
いつもは園長という仕事柄、
担任の保育者達のサポートやアドバイスに回る方が多い役回りですが、
先日久しぶりに私が主体者となって活動を行いました。
まずは年長さん。
『リアルスプラトゥーンごっこ』と称し、
保育者側の目的としては、
年長さんがどの程度リソース(道具)を活用してパフォーマンス力をあげられるか?
を知ることでした。
ゲームは3回戦行います。
1回戦目のチームは、
筆を1本だけ使っていい
2回戦目のチームは、
筆以外に、ローラーやはけスタンプ等好きな道具を使っていい
3回戦目のチームは、
好きな道具を使った上どうしたらより広い範囲を塗れることができるか、作戦を立てる
というルールを設けました。
どのチームもやる気満々です。
2回戦目を終えたところで、
子どもたちは筆1本よりほかの道具を使った方が
より早く塗れるという事に気付いたようでした。
さあでは、3回戦目。
どのように作戦を立てたのか後から聞いとみると、
Aチームは
『ダーっと勢いよく行く』
Bチームは
『男女に分かれて塗り始める場所を分ける』
でした。
なるほど、確かにAチームが塗った場所は、
用紙が切れてしまうほどの激しさを感じる塗り方でした。
Bチームは男の子が奥、女の子が手前と分かれて塗っていました。
あれ?道具の活用の工夫は?
残念ながら、そこまで作戦には盛り込まれていなかったようです。
でも、2回戦と3回戦での子どもたちの道具の扱い方には大きな違いがありました。
2回戦目の子は1個持っていたのに対し、
3回戦目の子は両手持ち、多い子は片手に3個もの道具を持って臨んでいました。
そんなに持っていたら、、、。
ローラーをコロコロ転がすこともできず、
ただ押し当てているだけでうまく扱えるわけもなく。。。笑
子どもなりに、沢山の道具を使う事で、
より早く広く塗ることができるのかもと考えたのでしょうね!
子どもの考えることは本当におもしろいです。
終了後、三回戦それぞれをみんなで振り返りました。
子どもたちなりに3回のゲームを振り返り
『これは塗り方にムラがある』
『ローラーの方が沢山塗れる』
『本当のスプラトゥーンには、バケツとかもあったよ』
『これも使ったら良かったかな?』
などなど、考えて声にあげていました。
そして何より
『楽しかった!!!またやりたい!』
この言葉があちこちから。
保育者としては何よりの言葉です。
さて、年中組さんは、
『泡ぶく遊び』を行いました。
固形石鹸をガリガリ削って、
少しのお湯を入れて、
とにかく後は手でかき混ぜる。
ただひたすらかき混ぜて、
よりきめの細かいフワフワで弾力があって
滑らかな泡を作る。
そして、その泡の感触に触れながら遊びを発展させていきます。
ちょうど年中組は
『自分自身の五感について探究する』ユニットを行なっています。
この活動を通して.五感のうちの4つを使って様々に感じ取ってもらう事が目的でした。
朝から石鹸を削って準備をしていると、
すぐに子どもたちは集まってきました。
そして私もぼくもー!とお手伝い。
『ねーねー何するの?』
『早くやりたい!』
『泡ぶくやりたい!』
と、子どもたちの意欲は準備万端。
パラパラの石鹸にお湯を注ぎかき混ぜ始めると、
すぐに子どもたちも同じようにかき混ぜ始めました。
泡立ち始めた石鹸水に、
『泡だー』
『出来たー』と歓喜の声。
『でも今日はまだまだもっともっとかき混ぜて、
もっともっとフワフワの泡を作るんだよ』
と声をかけると、
泡立っていく感触を楽しみながら一心不乱にかき混ぜていました。
なんとなく、シャボン玉やお風呂の時などで泡と触れ合っていた子どもたちですが、
こんなにも
フワフワで
モクモクで
弾力のある
きめ細やかな泡は初めてのようで
もう夢中。
こちらの予想を超えて、
手や足だけにとどまらず身体中に塗ったり、
投げたり、カップに山盛りに入れたり。
感触を味わう子、
何かに見立てて遊ぶ子、
もっと作ろうとお水やお湯を入れてさらにかき混ぜる子
と、様々に発展させて遊んでいました。
『そろそろおしまいにする?』の問いかけに
『やだー、だって楽しいんだもん!!』と。
ある男の子が
『泡ぶくってこんな風になるんだね!』
とお友達に言いながら遊んでいました。
子どもの気づきの瞬間でした。
実際に経験し、
様々な気づきを繰り返しながら、
自分達なりに発展させ遊ぶことで、
泡ぶくを理解し、
さらに深く知ろうとする行動が見られたのだと思います。
どちらの活動も、
子ども達が楽しく、意欲的に参加していました。
『楽しい』
『やってみたい』
『おもしろそう』
こういった期待があることで、
子ども達は興味・関心を持ちます。
この興味・関心が
子ども達の活動に対する主体的な姿勢をもたらし、
『もっと知りたい』
『もっと楽しみたい』
『なんで?』
『どうして?』
という探究心を育むのだと思います。
活動をきっかけに、
興味関心を持たせて発展させる。
または日々の生活の中で興味関心を持ったことを、
活動に取り入れる。
子ども達の興味関心、
そして気づきの瞬間に敏感になって
子ども達の探究心を育んでいきたいと思います。
やっぱり、保育の現場は楽しいですね!!!
園長 中尾
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